個人事業主にとって、毎年の確定申告は避けて通れない重要な手続きです。
しかし、日々の仕事をしながら領収書や請求書を整理し、帳簿を作成して申告書まで仕上げるのは、決して簡単ではありません。
特に、次のようなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
- 領収書や請求書が整理できていない
- 会計ソフトの入力方法が分からない
- どこまで経費にできるのか判断できない
- 青色申告決算書の作り方が分からない
- インボイス登録後の消費税申告が不安
- 本業が忙しく、確定申告に時間をかけられない
このような場合には、確定申告の作成や提出を税理士へ依頼する方法があります。
本記事では、福岡の個人事業主に向けて、確定申告代行を税理士に依頼するメリット、必要書類、費用が決まるポイント、税理士の選び方を分かりやすく解説します。
令和8年分の確定申告期限
令和8年分、つまり2026年1月1日から12月31日までの所得に関する所得税の確定申告期限は、令和9年3月15日(月)です。
税務署の窓口における申告相談と申告書の受付は、令和9年2月16日(火)から始まります。
また、個人事業者の消費税および地方消費税の申告期限は、令和9年3月31日(水)です。
| 申告する税金 | 令和8年分の申告・納付期限 |
|---|---|
| 所得税・復興特別所得税 | 令和9年3月15日(月) |
| 個人事業者の消費税・地方消費税 | 令和9年3月31日(水) |
期限直前になると、税理士事務所への依頼が集中する傾向があります。
領収書や請求書の整理ができていない方、消費税申告が必要な方、取引件数が多い方は、できるだけ早い時期から準備を始めることが大切です。
確定申告代行とは
確定申告代行とは、個人事業主から提供された資料をもとに、税理士が帳簿や決算書、確定申告書などを作成し、申告手続きを行うサービスです。
依頼する内容によっては、次のような業務をまとめて任せられます。
- 領収書や請求書の確認
- 会計ソフトへの入力
- 売上や必要経費の集計
- 固定資産や減価償却費の計算
- 青色申告決算書または収支内訳書の作成
- 所得税確定申告書の作成
- 消費税申告書の作成
- e-Taxによる電子申告
- 納付税額や納付方法の案内
確定申告書の作成、税務相談、税務代理は税理士業務に該当します。税理士等でない者が、他人の確定申告書を業として作成することは認められていません。
単に料金の安さだけで選ぶのではなく、申告書を作成する担当者が税理士であるかを確認することが重要です。
確定申告代行を税理士に依頼する5つのメリット
1.確定申告にかかる時間を減らせる
個人事業主が自分で確定申告を行う場合、領収書の整理、会計ソフトへの入力、決算書の作成、申告書の作成など、多くの作業が必要です。
税理士に依頼すれば、これらの作業に費やしていた時間を、本業や営業活動に充てられます。
ただし、完全に何もしなくてよいわけではありません。売上資料や経費資料の提出、取引内容の説明など、申告に必要な情報を税理士へ正確に伝える必要があります。
2.経費の計上漏れや申告ミスを防ぎやすい
事業に関係する支出であっても、経費として計上できるかどうかは、その支出の目的や事業との関係によって判断されます。
例えば、自宅兼事務所の家賃、通信費、自動車費用など、事業用と私用が混在する支出については、合理的な基準で分ける必要があります。
税理士に依頼することで、事業内容や利用状況を確認しながら、適切な経費処理を検討できます。
4.インボイス登録後の消費税申告にも対応できる
インボイス発行事業者として登録している個人事業主は、売上高が1,000万円以下であっても、原則として消費税の申告が必要です。
消費税申告では、売上にかかる消費税だけでなく、仕入れや経費に含まれる消費税、インボイスの保存状況なども確認しなければなりません。
所得税の確定申告と一緒に消費税申告を税理士へ依頼することで、申告漏れや計算間違いを防ぎやすくなります。
5.今後の経営について相談できる
確定申告書や決算書には、その事業の売上、利益、経費、借入金、資産などの情報が表れます。
税理士に依頼すれば、単に申告書を作るだけでなく、次のような経営上の相談ができる場合があります。
- 利益や資金繰りの状況
- 経費の使い方
- 設備投資のタイミング
- 青色申告の活用
- 消費税への対応
- 法人成りを検討する時期
- 金融機関へ提出する決算書の見せ方
事業の規模が大きくなってきた方は、年1回の確定申告だけでなく、継続的な税務顧問や月次決算も検討するとよいでしょう。
確定申告代行の利用が向いている個人事業主
特に、次のような方は税理士への依頼を検討する価値があります。
売上や取引件数が増えている方
売上の入金方法が複数ある場合や、毎月の取引件数が多い場合は、記帳作業の負担も大きくなります。
クレジットカード、銀行口座、決済サービス、ECモールなどを複数利用している場合は、それぞれのデータを確認しなければなりません。
領収書や請求書を整理できていない方
資料が未整理でも依頼できる場合はありますが、整理状況によって作業量と料金が変わることがあります。
申告期限直前にまとめて依頼するのではなく、資料がそろっていない段階でも早めに相談することが重要です。
青色申告を利用したい方

青色申告を正しく行うためには、日々の取引を帳簿に記録し、その帳簿に基づいて決算書と申告書を作成する必要があります。
国税庁は、個人事業主に対し、収入金額や必要経費を記載した帳簿のほか、請求書や領収書などの関係書類を整理して保存することを求めています。
インボイス発行事業者の方

インボイス登録後、初めて消費税申告をする方は、所得税申告とは異なる計算が必要です。
売上や経費を消費税区分ごとに整理できていない場合は、早めに税理士へ相談しましょう。
副業から本業へ移行した方
副業の規模が大きくなり、独立した場合には、所得区分、必要経費、開業届、青色申告、消費税など、確認すべき項目が増えます。
前年までと同じ処理でよいとは限らないため、独立した年は専門家へ相談することをおすすめします。
確定申告代行を依頼するときの必要書類
必要書類は事業内容や所得の種類によって異なりますが、一般的には次の資料を準備します。
売上に関する資料
- 売上台帳
- 請求書
- 入金明細
- 通帳の写し
- クレジットカードや決済サービスの明細
- ECモールや予約サイトの売上データ
- 支払調書
経費に関する資料
- 領収書
- レシート
- 請求書
- クレジットカード明細
- 通帳の写し
- 家賃、通信費、水道光熱費などの資料
- 車両費や旅費交通費の資料
資産や借入金に関する資料
- 高額な備品や機械の購入資料
- 自動車や不動産の購入契約書
- 借入金の返済予定表
- リース契約書
所得控除などに関する資料
- 国民健康保険料の支払額が分かる資料
- 国民年金保険料控除証明書
- 生命保険料控除証明書
- 地震保険料控除証明書
- 小規模企業共済等掛金控除証明書
- 医療費控除に関する資料
- 寄附金の受領証明書
- 住宅ローン控除に関する資料
過去の申告に関する資料
- 前年分の確定申告書
- 青色申告決算書または収支内訳書
- 固定資産台帳
- 税務署へ提出した届出書
- 予定納税額が分かる資料
- 消費税申告書
最初からすべてを完璧に整理する必要はありません。まず手元にある資料を確認し、不足しているものを税理士と一緒に整理していく方法もあります。
確定申告代行を依頼する流れ
一般的な手続きの流れは次のとおりです。
領収書や請求書の整理状況、会計ソフトへの入力状況、取引件数などを確認します。
依頼する業務の範囲と料金を確認します。
どこまでが基本料金に含まれ、記帳代行や消費税申告が追加料金になるかも確認しておきましょう。
売上、経費、控除、固定資産などの資料を提出します。
資料は紙だけでなく、PDF、Excel、会計ソフト、クラウドストレージなどで提出できる場合があります。
提出された資料をもとに帳簿、決算書、確定申告書などを作成します。
不明な取引がある場合には、税理士から内容確認を受けます。
売上、利益、所得控除、納税額などの説明を受け、内容を確認したうえで申告します。
国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、所得税、消費税、青色申告決算書、収支内訳書などを作成し、e-Taxで提出できます。税理士が代理送信することも可能です。
確定申告代行の費用が決まるポイント
確定申告代行の料金は、主に次の条件によって変わります。
- 年間売上
- 取引件数
- 記帳が完了しているか
- 領収書などの整理状況
- 青色申告か白色申告か
- 消費税申告の有無
- 給与や源泉所得税の処理の有無
- 不動産所得や譲渡所得など、事業以外の所得の有無
- 申告期限までの期間
料金を比較するときは、金額だけでなく、サービスの範囲を確認することが重要です。
「確定申告書の作成だけ」なのか、「記帳から申告まで含まれる」のかによって、必要な作業量は大きく異なります。
福岡で確定申告代行を依頼する税理士の選び方
個人事業主の申告に対応しているか
福岡にかぎらず、税理士事務所によって、得意とする業種や顧客規模は異なります。
個人事業主の記帳、青色申告、消費税申告などに対応しているか確認しましょう。
記帳代行にも対応しているか
会計ソフトへの入力が終わっていない場合は、記帳代行から依頼できる税理士事務所を選ぶ必要があります。
領収書や請求書をどのような形式で提出すればよいかも確認しておきましょう。
料金の範囲が分かりやすいか
基本料金に含まれる業務と、追加料金が発生する業務を確認します。
特に、記帳代行、消費税申告、年末調整、償却資産申告などは、別料金になることがあります。
説明が分かりやすいか
専門用語を並べるだけではなく、申告内容や納税額について分かりやすく説明してくれる税理士を選びましょう。
確定申告は毎年発生するため、質問しやすく、継続して相談できるかどうかも重要です。
申告後の相談にも対応しているか
事業が成長すると、資金繰り、融資、設備投資、消費税、法人成りなど、新たな課題が出てきます。
申告書を作成するだけでなく、今後の経営について相談できる地元福岡の税理士であれば、長期的なパートナーとしても心強いでしょう。
確定申告代行に関するよくある質問
領収書が整理できていなくても依頼できますか
対応できる場合があります。
ただし、資料の量や整理状況によって作業時間と料金が変わるため、申告期限直前ではなく、早めに相談することをおすすめします。
会計ソフトを使っていなくても依頼できますか
会計ソフトを利用していない場合でも、通帳、領収書、請求書、売上資料などから記帳できる場合があります。
事業内容や取引件数によって必要な資料が異なるため、事前に確認してください。
確定申告をすべて丸投げできますか
記帳から申告書の作成・提出まで依頼できる場合があります。
ただし、取引内容や経費の目的を最もよく知っているのは事業主本人です。資料の提出や税理士からの質問への回答は必要になります。
申告期限を過ぎても依頼できますか
期限を過ぎた後でも期限後申告はできます。
ただし、状況によっては無申告加算税や延滞税が発生する可能性があるため、できるだけ早く税理士へ相談してください。
相談する時期はいつがよいですか
年内または年明けのできるだけ早い時期が理想です。
記帳ができていない方、消費税申告が必要な方、取引件数が多い方は、申告時期を待たずに相談することで、資料整理や決算準備を進めやすくなります。
福岡の個人事業主の確定申告をサポートします
個人事業主の確定申告では、単に売上と経費を集計するだけでなく、青色申告、減価償却、家事按分、消費税など、さまざまな判断が必要になります。
確定申告に時間を取られて本業に集中できない方や、申告内容に不安がある方は、税理士への依頼をご検討ください。
福岡確定申告代行サポートでは、お客様からお預かりした領収書や請求書などをもとに、経理データの入力、決算書の作成、確定申告書の作成を支援しています。
福岡市および周辺地域で確定申告についてお困りの個人事業主の方は、お問い合わせフォームからご相談ください。
※具体的な税務上の取扱いは、事業内容、契約関係、取引状況などによって異なります。個別の判断については税理士へご相談ください。

参考情報
- 国税庁「申告と納税」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/06_1.htm - 国税庁「個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kojin_jigyo/index.htm - 国税庁「青色申告特別控除」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2072.htm - 国税庁「税理士等でない方が他人の確定申告書等を作成することは法律で禁止されています」
https://www.keisan.nta.go.jp/r7yokuaru_sp/cat1/scid2530.html - 国税庁「確定申告・インボイス」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice_kakutei.htm


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